Shonan iPark Science Cafe

響き合え、科学。










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響合え、科学

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「中枢神経疾患に対する、ゲームを基盤とした治療介入」~小児注意欠陥・多動性障害と多発性硬化症への適応例~

【発表の概要】 最近、Internal medicine (IM)以外の中枢神経疾患に対する介入療法の研究が盛んになってきた。今回はその一例として「ゲームを基盤とした治療介入」を紹介する。 適応症は精神疾患に分類される幼児注意欠陥・多動性障害(ADHD)、そして変性…

遺伝子に潜在的にコードされるmodifier geneで、筋ジスが根治される可能性

Kemaladewi et al. 2019 Nature 要旨 原因遺伝子に依存しないmodifier geneを介する革新的な治療法が承認され始めている (例, SPINRAZA®)。本論文では、先天性筋ジストロフィーのMDC1Aの原因遺伝子Lama2完全欠損が、類似の機能を有するLama1を増強させる事で…

神経回路の非侵襲的制御のための音響標的化学遺伝学

Szablowski et al. 2018 Nature Biomedical Engineering <概要> これまで、血液脳関門通過が困難な薬剤の脳内送達等には侵襲的な方法が主に用いられてきたが、acoustically targeted chemogenetics (ATAC)を用いることで非侵襲的に、かつ、細胞特異的に薬物…

iPS細胞を用いたヒトのニューロンの動態およびダウン症候群のin vivoモデルの確立

ロンドン王立大学のグループから発表された本論文は、マウスの脳内でヒトiPS由来の神経のシナプス形成や刈り込みを長期間観察できることを示した論文であり、昨年の11月16日号のScience誌に掲載されました。特筆すべきは、トリソミーを持つダウン症の神経細…

高密度CMOS-MEAおよび多電極brain machine interface(BMI)の進捗とその応用

要旨 近年、20,000個以上の記録電極を搭載し空間分解能を飛躍的に高めた高密度CMOS-MEAが注目されている。アルツハイマー病モデル培養神経において、CMOS-MEAを用いた解析はAβ誘導性の毒性が神経ネットワーク内の高発火頻度神経からなるマイナーポピュレーシ…

シングルセルRNAシークエンス法を用いた変異モザイクを持つレット症候群患者の脳組織の特徴

2019.7.18 iPark Science Cafe Renthal et al. 2018 Nat Neuroscience Renthalらは、X染色体連鎖性変異とシスに発現するSNPsを用いて、変異モザイクを決定するためのシングルセルRNAシークエンス法を用いたアプローチを示した。 レット症候群はMECP2変異に起…

核内TDP-43の消失は、LINEレトロトランスポゾンコードクロマチンの脱凝縮と関連する

(2019.7.12 iPark Science Cafe) Liu et al. 2019 Cell Reports 要旨 Liuらは、FTD-ALS患者の死後脳から神経細胞の核を抽出し、RNA結合たんぱく質TDP-43が核内から消失した際のトランスクリプトームとクロマチン構造の変化について解析した。 その結果、核内…