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薬理毒性試験のDX:動画を用いた動物行動解析システムの開発と応用

7月29日(金)の湘南アイパークサイエンスカフェでは、AIに関連した発表の第3弾としまして、東京大学大学院農学生命科学研究科准教授の村田幸久先生から話題をご提供いただきます。

薬理毒性試験のDX:動画を用いた動物行動解析システムの開発と応用

東京大学大学院農学生命科学研究科 村田幸久

株式会社Revamp 港高志 岸拓也 江上由美

【発表概要】

自閉症認知症、痛みなど、中枢神経性の疾患に対する治療薬の開発ニーズは高い。これらの疾患の病態解析や薬物評価においても他疾患と同様に、動物モデルの作製とその行動評価は欠かせない。しかし、マウスやラットといった実験動物に、ヒトと同様のうつや不安、記憶障害が起こりうるのだろうか?そして、その行動をどのように評価するべきか? これらの疑問や課題は残る。また、上記以外の疾患に対する治療薬開発でも、その薬理・毒性スクリーニングにおける行動評価の効率化や最適化、デジタル化のニーズは非常に高い。これらの疑問や課題の解決するためには、既存の動物行動評価を見直しつつも、新たな評価系の確立を急ぐ必要がある。近年、コンピューターの処理速度の上昇と共に、画像の取得解析技術や、微小センサーの開発が飛躍的に進み、特に人の行動や情動を解析する様々な技術が開発され、産業応用されつつある。これらの技術は実験動物を含む、動物の行動や情動解析にも応用できる。我々は動物の「心」をどこまで読めるようになったのか?私たちは、創薬研究でも応用できる、再現性、客観性の高い動物行動解析システムの構築を進めてきたので紹介する。

(2022.7.29 Shonan iPark Science Cafe 122nd)