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響合え、科学

パーキンソン病患者が設立した研究所によるDrug Repositioningを中心とした疾患修飾薬開発について

"What’s New on drug repurposing?"

【Sause】

WPC virtual 2021の発表や、その引用情報。

【発表概要】

パーキンソン病に対し、標準的治療であるドパミン補充療法は運動症状を改善させるが,進行を抑える治療法はいまだ確立されていない。近年、抗パーキンソン病薬として、疾患修飾的な機序のものの開発が進められている。しかしながら、薬の効果を適切に評価できる方法が確立されておらず、米国では、2015年から2020年の間にMDS-UPDRSで評価した5つの臨床試験が中止され、230億ドルが無駄になったとの報告があった(Dr. Michele HU)。疾患修飾薬に期待しつつも、その開発には膨大な時間がかかってしまい、自分が享受できない可能性に落胆する患者も少なくない。

Cure Parkinsons‘は、英国の、患者4人が設立した財団である。特に、Drug Repositioning/Repurposing(DR)に注目し患者視点の研究を進めている。DRとは、ある適応症を持つ既存の化合物(承認された医薬品または試験中の臨床候補化合物)を別の適応症に適用することであり、従来の創薬に比べて、コスト、リスク、市場投入までの時間を削減できるという利点がある。Cure Parkinsons‘が取り組んでいるDRについてご紹介する。

(2021.11.4 iPark Science Cafe 95th)