湘南アイパークの森の植物と和歌、椿
日本原産だからでしょうか、森では様々な椿に出会えます。紅椿、白椿、千重咲きの乙女椿、さらには寒椿(さざんかの仲間)。椿とさざんかは一見よく似ていますが、見分け方は、立体的な花が椿で、平面的な方がさざんか。花の散り方でも分かります。
あしひきの八つ峰の椿つらつらに 見とも飽かめや植ゑてける君
防人の歌が多く収載された万葉集第20巻にある、大伴家持 (718?~785) (中納言家持) が詠んだ歌です。「幾重にも重なる峰のような椿はつくづく見ても見飽きることがない、これを植えたあなたのことも見飽きることがあるだろうか」。
椿の歌ではありませんが、小倉百人一首には第六番に彼の冬の歌が選ばれています。繊細で綺麗に詠まれる三十六歌仙の一人として親しまれています。
鵲の渡せる橋におく霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける
湘南アイパークに今シーズンに降った雪の椿も稀に綺麗でした。